「(株)繊維リソースいしかわNEWS」2009年10月号(元気印の企業訪問)の記事の紹介です~
「株式会社繊維リソースいしかわNEWS」の2009年10月号の裏表紙に、株式会社気谷の記事が掲載されました。
内容の濃いとても素晴らしい文章だったので、皆様にも読んで欲しいと思って紹介します~
”元気印の企業訪問 No.9”という題名です。(以下は、ほぼ原文のまま掲載します)
ゴム・ひも・テープのオールラウンダーを標榜
(株)気谷 取締役社長 吉本 勇人 氏
日本を代表するゴム入り細幅織物の一大産地であるかほく市一帯には、かつて千社を超す関連事業所があった。それが、バブル崩壊、中国縫製品の台頭といった度重なる荒波を受け、現在では全盛期の4分の1に激減している。そんな環境下にあって、独自の路線を開拓してきている元気印の企業が、かほく市に本社を構える(株)気谷である。三代目にあたる吉本勇人社長にお話を伺った。
●新たな柱として小売部門を開拓
平成8年、(株)気谷の氣谷会長の娘さんと結婚し、同社の後継者となった吉本社長は、バブルが崩壊し、中国に縫製の仕事が流れ始めていた環境下にあった自社の今後鑑み、「このままでは主要取引先のグンゼの仕事もゆくゆくは中国に行くことが予測され、アパレルとは違う新しい分野を開拓しておく必要性を痛感した」と入社当時を述懐する。これからの新たな事業として目を付けたのが、手芸店などの小売向けの商品だった。この分野は過去のしがらみが全くない世界だけに、問屋を飛ばして小売店に直接売り込むことができた。最初は、自ら手芸店に出かけ、サンプルになるゴムひも関連の商品を手当たり次第に買い漁り、そうした商品を参考にしながら自社で試行錯誤を繰り返し、商品のアイテム数を少しずつ充実させていった。同時並行して自社の商品を手に全国を営業して回った結果、2年あまりで軌道に乗せることができたという。「門前払いされても、がむしゃらに営業して回り、一旦お客さんになってもらった先には小回りの効く営業を展開してきた営業努力に尽きると思っています」と胸を張る。現在では、全国チェーンの量販店等にOEMで商品を納入したり、地元のコメリには製造元に(株)気谷の名前が入った商品が並んでいる。アイテム数が千種類を超える小売向け商品が、売上全体の3割を占めるまでに成長してきている。その一方で、既存のアパレル関係の仕事はバブル崩壊から今日までの間に、絶対量が半減しており、その分を小売向け商品でカバーしている格好だ。
●ゴム・ひも・テープのことならお任せあれ
従来から下着やベビー服、マスクゴムとして使用されているコールゴム(平ゴム)は、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリプロピレン、金銀ラメ糸等があり、天然・合成ゴム糸だけでなくドライクリーニング対応のライクラ(ポリウレタン)を使用した製品もある。包装・ラッピング、ヘアーゴム用として用いられる丸ゴムにも様々な素材があり、全50色のヘアーゴム用、全11色のレーヨン丸ゴム、全7色のPPコードゴム、全10色のカラーマスクゴムなど。織ゴム・編ゴムは衣料のウエストや袖口に使用されるもので、幅15ミリ~60ミリ主力だが、さらに広幅のものにも対応しており、ジャガード織ゴムやプリントゴムも企画・販売している。その他、(株)ナイガイロンデックス部の高品質ゴム糸であるNDX(合成ゴム)とSSDX(天然ゴム)の販売代理店として新たな事業にも取り組んでいる。
●ユニークな商品も
アイマスクに5つのピンホールが開いている見えるアイマスク「ネミール」は、見えるアイマスクとして、また、5つのピンホールを使って上下左右の眼筋体操が行えるというすぐれものだ。その耳にかけるゴムの部分に同社の製品が使われている。当初は営業の話題作りに持ち歩いていたが、好評だったことから、今は代理店として商品の販売も行っている。この商品が売れれば、耳にかける部分に使われている自社のゴムひもも売れるという一石二鳥の効果がある。もう一つは、「芳香カラーひも」である。擦ると匂いのする液をしみこませたひもの試作品を営業で持ち歩いていたところ、もっといろんな匂いがあったらおもしろいのではということになり、バニラ・バナナ・オレンジ・ローズ・りんご・いちご・ジャスミン・ラベンダー・ひのきとバリエーションを展開している。展示会等でこの匂いのするひもは若い女性を惹きつけ、宣伝効果は抜群とのこと。「今の時代は何が売れるのか、作り手もバイヤーも実は分からない。それだけにやり甲斐があり、面白みもあります」と顔を綻ばす。
●二次加工を新たな収益源に
手芸店で販売される生地は、ロール状に巻かれた反物状態で納品されるが、店頭ではそのまま置くわけではなく、板に巻きつけて陳列されている。そうした反物を板に巻き直したり、生地の商品を小分けにパーッケージする加工作業をするため、自前の加工センターを昨年立ち上げた。同じ手芸店向けの仕事ではあるが、自社内で二次加工をすることで新たな仕事を確保した格好でもある。
●展示会は情報発信の場
ジャパンクリエーションへの出展も今年で4年連続となる。「展示会に出展したからといって即商談に結びつくわけではありませんが、自分たち取り組んでいること、自社商品を発信することにウェイトを置いています」と意欲的。最近では、インターネットで同社を検索し、ホームページ経由での問合せや注文が、多い日には数件舞い込んで来るという。その意味でもホームページの重要性を痛感しており、さらに充実させていくことも課題の一つと捉えている。
●産業資材分野の強化が今後の鍵
アパレル、小売向けに加え、3つ目の柱に育ってきているのが産業資材の分野である。「産業資材の利点は計画生産ができ、継続性があるのに対して、アパレル業界は毎年流行のデザインや色が変わるだけでなく、四季があることから季節感が要求され、しかも納期を急がされ単価も厳しい。そのあたりのバランスをうまく取っていくことが成功するための鍵を握っています」と力を込める。産業資材にこれからさらに力を入れていくことを宣言するも、「自社で可能な範囲でのコストダウンは図るが、敢えて競争には参加しない」とも。将来的には、アパレル・小売・産業資材の3本柱で売上を分け合える体制にもっていくことを目標に、堅実な商いに徹する姿勢を強調する吉本社長である。
◆会社概要
・商号 (株)気谷
・所在地 かほく市木津ハ41-2
・設立 昭和37年
・資本金 3,000万円
・事業内容 繊維資材の製造・販売
・社員数 38名
・URL http://www.kitani-gomu.com/
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